『ニュースと更新情報』アーカイブ 2016年

2016年中に投稿した『ニュースと更新情報』です。記事は投稿当時のものですので、現在と事情が異なるものやリンク切れになってしまったものも含まれますのでご了承ください。

釜山-対馬航路に高速船「オーシャンフラワー2」が就航

大亜高速海運は12月10日、釜山と対馬の厳原港、比田勝港とを結ぶ航路に「オーシャンフラワー2」を就航させました。就航中の「オーシャンフラワー」と合わせて2017年1~2月は厳原、比田勝それぞれ週5便の運航を予定しています。

オーシャンフラワー2(IMO:9129328)はインキャット社が1996年に製造した高速双胴船。全長約81m、総トン数4,114トン、定員825人で、オーシャンフラワーの2倍近い定員数。JR九州高速船(ビートル)、未来高速(コビー、NINA)と競合する対馬航路の中でも船体、定員ともに最大の就航船になります。

(2016.12.16)

サハリン航路 来年は6月からの運航を計画、旅客専用となる可能性が高いと発表

SASCOと北海道サハリン航路が会見を開き、来年の運航計画を明らかにしました。報道によると6月から9月20日までに38往復便を運航。繁忙期の7月下旬から9月初旬は週3往復、それ以外の期間は週2往復を運航する予定です。船舶は貨物も載せられる貨客船の就航を模索してきましたが船舶と船員の確保が難しく、今年と同じ「ペンギン33」を使用する可能性が高いとしています。来年1月までには使用船舶と運航日程を確定させる方針です。

会見ではSASCOが検討している事業構想も示されました。双胴船による稚内とサハリンのホルムスク、ネベリスクとを結ぶ新航路開設のほか、1,500~2,000トン(乗客100人、車20台程度)の貨客船を建造して現在SASCOが運航しているサハリンとウラジオストク、釜山、稚内などへの航路に就航させる案が明らかになりました。

(2016.12.7)

対馬-釜山に高速船「NINA」が就航予定、10月5日に就航セレモニー

釜山を拠点に博多、対馬航路を運航する未来高速は、釜山-対馬航路に新しく高速船「NINA」を就航させます。10月5日に釜山港国際旅客ターミナルで就航式を行う予定。

報道によると「NINA(IMO:9694892)」は双胴船タイプの高速船。定員は430名で、博多航路に就航している「コビー」と比べて230人多い。就航後は釜山と対馬・比田勝港とを1時間半、厳原港とを2時間半で結ぶとしています。

(2016.9.30)

サハリン航路は今季の運航を終了、実績は上出来として来年以降の運航継続に含み

稚内港とロシア・サハリン州コルサコフ港を結ぶ旅客フェリーの今季の運航が終了しました。新聞記事によると、予定されていた14往復のうち悪天候などで2往復が欠航。旅客数の目標は1,000人でしたが北海道サハリン航路会社の藤田社長は「今年は試験運航という位置づけで511人という乗客は上出来」と話しました。これから運航主体のSASCOと運航実績の分析や事業費の精算をして、来季に向けてサービス改善や貨物の取扱い、使用船舶の検討を行って「来年は6月から運航させたい」としています。

同航路は去年ハートランドフェリー社が業績不振を理由に撤退。運航を継続すべく新会社の設立計画と断念を経て、今夏ぎりぎりになってSASCOによる運航が決定しました。例年は6月初旬から9月末までの運航期間が今年は8月1日からの1ヶ月半に短縮、周知期間の不足など営業面でも不利な状況が予想されましたが、何より同航路の運航を途切れさせず継続させたことに意味がありました。来年の運航については藤田社長の発言から全く見込みがないという状態ではないことは伺えますが、乗客数が目標の半分程度という実績を考え合わすと継続が確実とも言えないが見通しは明るい、と読み取れます。今季の営業成績の決算や稚内市議会の評価が待たれます。

(2016.9.19)

韓国ソサン-中国栄成航路、2017年4月に開設で合意

韓国メディアの報道によると、2017年4月から韓国ソサン市デサン港と中国山東省栄成市の龍眼港とを結ぶ貨客フェリーの就航が両国間の合意により決定しました。就航が実現するとソサン市にとって初めての国際定期フェリー航路が開かれることになります。

同航路は高速船による航路開設が2010年の韓中海運会談で合意されていましたが、その後の海運不況や韓国で発生した海難事故、デサン港の旅客ターミナル未整備などを理由にで最終合意が延期されていました。今年8月に開かれた会談では就航船を貨客フェリーに変更、運航会社の設立や船舶の確保など具体的な事業計画を進めることに合意したということです。

韓国側発着港のデサン(대산、大山)港は韓国忠清南道ソサン(서산、瑞山)市の最北部に位置する港湾地区。ソサン市の中心部から北に約30km、ピョンテク港から西に直線距離で約40km、ソウルから道なりに約130kmのところにあります。中国側の栄成市龍眼港とは海上距離339kmあり、フェリー就航後は約9~10時間で結ばれる見込み。デサン港の国際旅客ターミナルは今年5月に竣工したということです。

(2016.9.8)

サハリン航路は8月1日から運航 正式発表

「北海道サハリン航路」会社は稚内港とロシア・サハリン州コルサコフ港を結ぶ旅客フェリーについて、8月1日から運航を始めると発表しました。これまで報道されていた就航予定日より1週間遅れになります。

運航期間は8月1日のコルサコフ出発便から9月16日の稚内出発便まで。稚内港からは火曜日と金曜日の午前9:00、コルサコフ港からは月曜日と木曜日の午前11:00に出発。所要時間は約4時間半。運賃は稚内発が片道1万8千円、コルサコフ発が168USドル。往復割引はない。乗船予約、チケット販売は提携旅行代理店の北都観光(稚内市)、ノマド(札幌市)、ビートモ(ユジノサハリンスク市)で取り扱う。どの代理店も日本語、英語の問い合わせに対応。

乗船手続き時間は稚内7:30~8:30、コルサコフは9:30~10:30。ターミナル施設利用料金は稚内港400円、コルサコフ港は運賃に含まれる見込み。

就航船「ペンギン33」は旅客専用で貨物は載せない。オートバイの搬送は不可。自転車は輪行袋などで梱包した状態なら手荷物として携行できる。手荷物は1個30kgまで、1人で合計2個50kgまで。

ロシア渡航にはビザが必要ですが、コルサコフ港はノービザ制度の対象港になっています。ビザ免除の条件などは日本-ロシア航路旅のテクニック集をご参照ください。

公式サイトが公開されました。営業案内や諸注意などをご参照ください。【2016/07/26追記】

  • 船名:ペンギン33(IMO:9553191)
  • 運航会社: サハリン海洋汽船(SASCO)、日本総代理店:北海道サハリン航路 電話0162-22-2550 予約、チケット購入は提携旅行代理店へ
  • 予約・購入: 北都観光(稚内・電話0162-23-3820)、ノマド(札幌・電話011-200-8840)、ビートモ Bitomo(ユジノサハリンスク・電話+7-4242-72-68-89)

(2016.7.22)

新潟-ロシア航路の船舶保有会社、破綻へ

新潟県が出資する第3セクターの新潟国際海運は、計画しているロシア航路の開設に関連して、就航船購入の契約トラブルによりパナマの船舶保有子会社「ナフジェイ・パナマ(NAFJ PANAMA)」の破産手続きを始めることになりました。就航時期が遅れるだけでなく、計画そのものが頓挫しかねない上に公的負担の可能性も出てきている、とする報道機関も出ています。

これまでの報道をまとめると、新潟国際海運は当初2016年春の就航を目指して中古船の購入を検討。条件に合う船がなく選定に難航していましたが、新潟国際海運の子会社でパナマに本社を置くナフジェイ・パナマは2015年8月に韓国のソドンマリタイム社との間でオハマナ号の売買契約を締結。10月に手付金約7,440万円を支払いました。しかし同月に広島県にあるドックへ回航する際にエンジンが故障して1時間停止したほか、本来は18ノット必要な速度が11~12ノットしか出ないことが判明。ナフジェイ・パナマは船の受け取りを拒否しましたがソドンマリタイム社は代金の支払いを求めて対立したため、海事関係の紛争を仲裁する日本海運集会所に仲裁判断を申し立てました。今月5日付けで示された裁断は、ナフジェイ・パナマは請求された約412万ドルのうち約38%にあたる約1億5,700万円を手付金とは別に支払い、船はソドンマリタイムが引き取るというもの。ナフジェイ・パナマの損失は同社の支払い能力を越す2億3千万円以上が見込まれ、対応が注目されていました。そして15日に開かれた新潟国際海運の取締役会で、今回の契約で同社はナフジェイ・パナマに対して債務保証はなく支援はしない、として子会社の破産手続きを始めることを決定。同日に株主説明会が開かれて了承されました。

問題になったオハマナ号は、元は日本の沖縄航路に就航していた「フェリーあけぼの」。韓国へ売却された後に積載量を増やす改装工事が施されました。清海鎮海運で僚船セウォル号と共に仁川-済州航路に就航していましたが2014年4月のセウォル号沈没事故の影響で運航が停止され、銀行の差し押さえに。その後競売にかけられて、5回目の入札でソドンマリンタイム社に28億4千万ウォンで落札されました。セウォル号とは船の大きさ、構造が似ているとしてセウォル号事故特別調査委員会の調査計画の一つとされていましたが、オハマナ号がエンジンを換装してインドへ移動されることが伝えられ、急遽行われた立ち入り調査は2時間半で終了。調査委員会から事故の真相究明が難しくなったという意見が出されていました。ソドンマリンタイム社のホームページにはオハマナ号が385万ドルで売りに出されていて、関係者から海外売却が危惧されていました。

新潟県は船の取得費用として3億円を出資しています。新潟県の自民党県議団はトラブルを調査するプロジェクトチームの立ち上げを決定、県の関与について改めて調査する方針と伝えられています。

(2016.7.20)

サハリン航路は7月25日から運航再開!

稚内市の第三セクター「北海道サハリン航路」会社は今年の稚内-コルサコフ間のフェリー運航について、SASCO(サハリン海洋汽船)と運航計画を大筋合意した、と発表しました。

計画によると運航期間は7月25日から9月16日までの16往復。稚内港からは火曜日と金曜日、コルサコフ港からは月曜日と木曜日に出発。所要時間は約4時間半。運賃は片道1万8千円と去年よりやや安い値段。国際航路なので消費税は免税。既報のとおり船は旅客専用で貨物は載せない。

「北海道サハリン航路」は7月4日にSASCOと正式に契約調印して、日本総代理店として予約やチケット販売などを行う。

【続報】稚内市サハリン事務所のブログ『アムールスカヤ通の窓から』の記事に出発時間が紹介されています。稚内からは火曜日・金曜日の9:00時出発、コルサコフに15:30到着。コルサコフからは月曜日・木曜日の11:00出発、稚内に13:30到着。就航船はペンギン33(最初に報じられたペンギン32ではなく)。まりん☆ぽらりすさんのコメント投稿もご参照ください。(2016/07/01追記)

【続報】今年のフェリー運航が正式決定しました。SASCOと北海道サハリン航路両社による契約調印が行われました。(2016/07/04追記)

(2016.6.30)

サハリン航路、今季はチャーター便として旅客船を就航させる計画

稚内-コルサコフ航路再開計画について、その詳細が日本側メディアから出てきました。情報を補足しながら各社の記事をまとめると、運航主体の「サハリン海洋汽船(SASCO – Sakhalin Shipping Company)」は現在シンガポール国内で運航されている双胴型の旅客船「ペンギン32(penguin32)」(総トン数270トン、定員80名、IMO:9553189)」を借り受け、今季はチャーター便として今年7月から9月中旬まで週2往復程度、合計18往復程度を運航する計画。来季以降の定期航路化を目指す。今年4月に設立された稚内市の第三セクター「北海道サハリン航路」会社が日本側の総代理店として近くSASCOと契約する方針。

ペンギン32に乗船できるのは旅客のみ。貨物は釜山-コルサコフ間で運航している貨物船を稚内に寄港させる方向で検討中。試験運航が実施されていない現時点では安全性や定時運航に不安が残るという関係者の声も。また運航経費はサハリン側が日本側にも応分に負担するように求めていることから、経費の総額が分からない現状では稚内市としても判断が難しい、としています。北海道サハリン航路会社は来週にも稚内市に計画の説明を行う予定。

ここからは管理人の推測ですが、稚内市が経営上のリスクを取ることができれば今季の運航が実現すると思われます。以前に日本側が模索した新会社事業案は貨客フェリーによる運航を想定したため、大幅な旅客数と貨物量の増大が必要になって採算がとれない見込みが示されて頓挫。今回は費用的にも小回りがきく、比較的小さな旅客船(船の全長約28mは博多-釜山のビートルと同じくらいの大きさ)での計画案となりました。チャーター便としての運航形態については団体貸切という意味ではなく、定期航路より簡単な許認可条件での運用を狙ったものと思われます。飛行機の定期チャーター便と同じように、一般旅客も定期船を利用するような手続きで乗船できることを期待しています。ただペンギン32は旅客船なので車両はもちろん、モーターバイクの搬送は不可になると思われます。自転車については微妙です。高速船に乗せられる会社(大亜高速海運の対馬航路)もあります。もし不可でも輪行袋を利用すれば手荷物として認められる可能性が高くなるのが一般的です。※SASCOの日本語名称は各メディアにならって「サハリン海洋汽船」とします。

(2016.6.18)

稚内-ロシア・コルサコフ航路再開へ サハリン州政府が発表

ロシア・タス通信6月3日付けの記事によると、サハリン州政府は稚内-コルサコフ間のフェリー運航を今年7月15日から再開すると発表しました。サハリン船舶会社(SASCO)による運航。旅客の扱いについては言及されていませんが、記事中では北海道庁とサハリン州政府は今年5月から観光を含めた協議を活発化させている、としています。

同航路は1995年にロシアの貨客船「サハリン7」が就航。1999年からは日本のハートランドフェリー社が参入して運航してきましたが、赤字続きのため去年のシーズンを最後に撤退。稚内市は新会社による運航継続を目指していましたが、事業収益性を理由に運航再開計画を断念していました。

サハリン船舶会社(SASCO)はサハリンを拠点にして主に貨物航路を運航する海運会社。旅客航路としては大陸とサハリン島を結ぶ航路(ハバロフスク地方・ワニノ港-サハリン州・ホルムスク港)にフェリー「サハリン8」「サハリン9」を就航させています。

(2016.6.4)

麗娜輪で台湾・蘇澳港から沖縄県石垣島へ、ツアー旅行商品の発売を開始

【注意】記事中のツアーは最小催行人数に満たないことが予想されるため中止になりました。Facebook:東聯航運(2016/06/29追記)

麗娜輪(ナッチャンRera)石垣島チャーター便を利用したツアーの募集が始まりました。台湾の天海旅行社が募集するこのツアーは、台湾の蘇澳港から石垣島へ日帰りで往復するもので、7月4日から毎週月曜日に合計10回の運航を予定。現在のところ同社のサイト上で8月1日までの5本のツアー申し込みを受け付けています。料金は麗娜輪の往復乗船券として7,500台湾元+各種オプショナルツアー料金など。最小催行人数は各便400人。運航スケジュールは蘇澳港を7:30に出発して石垣港に正午に到着、石垣港を19:30に出発して蘇澳港に22:00に到着(いずれも現地時間)。乗船所要時間は約3時間半。

運航主体の華岡集団(ワゴングループ)ではチャーター便の運航を定期航路開設につなげる試験運航と位置づけていて、技術的にも営業的にも定期運航への試金石となるプログラムだと思われます。今回は日帰り旅行ということで石垣島での滞在時間が長くなるように設定されていますが、所要時間や往復料金は定期運航化されときの目安になります。

(2016.6.4)

沖縄県石垣島-台湾・花蓮港に5月からチャーター便が就航、将来的には定期運航の計画も

台湾の華岡集団(ワゴングループ)は以前から構想していた台湾東部の花蓮と沖縄県石垣島を結ぶ航路の開設計画について、2016年5月14~15日に試験運航行うと発表しました。就航するのは同グループが所有する「麗娜輪(ナッチャンRera)」。琉球新報の記事によると、当面の間はチャーター便として運航を始めて、今後は週1便程度の定期運航を計画している、としています。

麗娜輪は現在は中台両岸航路と台湾東部沿岸の花蓮-蘇澳航路に就航。蘇澳航路を運航する東聯航運の公式サイトによると、同社が石垣航路を担当する見込み。日本側の受け入れ企業は沖縄県浦添市に本社を置くシンバネットワークのあんしん。

日本と台湾を結ぶ定期貨客航路は、有村産業の「クルーズフェリー飛龍21」が名古屋港、大阪港から那覇港、宮古島、石垣島を経由して台湾の基隆港と高雄港を結んでいました。しかし同社が経営破綻した2008年に運航を停止。以来旅客が乗ることができる航路は途絶えていました。

(2016.4.28)

ビートル就航25周年記念キャンペーン実施

JR九州高速船はビートルの博多-釜山航路就航25周年を記念して、2つの謝恩割引キャンペーンを実施しています。

博多港出発日に満25歳限定の「ニコニコ割」は本人が往復5,000円、同伴者1名まで追加可能で運賃は往復8,000円。チケット販売期間は9月30日まで。チケット利用期間は4月1日から9月30日帰着まで。電話予約限定。

「とも得4」は4名以上が同一便を利用する条件で1人あたり往復6,000円。販売期間は4月15日まで。利用期間は5月4日から6月3日まで。ネット予約、クレジットカード決済限定。

いずれも燃料サーチャージなどは別途必要。それぞれの詳しい利用条件など公式サイトでご確認ください。

(2016.3.26)

上海フェリー 初めて乗船する人限定の片道運賃半額キャンペーン実施

上海フェリー(蘇州号・大阪-上海)は初めて蘇州号に乗船する人を対象に、大阪発の片道運賃を半額にする「初ご乗船者(大阪発)キャンペーン」を実施しています。往復チケットを購入した場合も割引が適用されて、発売金額は片道割引運賃の倍額。割引はすべての船室クラスが対象。往復運賃と上海のホテル2泊分をセットにしたプランも用意されています。利用期間は大阪出発2016年8月まで。詳細は公式サイトのキャンペーン紹介ページをご覧ください。

(2016.3.26)