韓国南部の巨済島(コジェ島)と長崎県の対馬、壱岐を結ぶ新しいフェリー航路の開設手続きが進み、条件が整えば早ければ年内にも就航が可能な状態であると韓国紙が伝えています。
釜山日報busan.com: 巨済~対馬の航路開設へ
http://japan.busan.com/jp/news/sub2.asp?num=678 (日本語)
http://news20.busan.com/controller/newsController.jsp?newsId=20180213000316 (韓国語の元記事)
巨済インターネット新聞: 長承浦旅客ターミナル、対馬往復旅客港開設推進
http://gjn.kr/news/articleView.html?idxno=32763 (韓国語)
翻訳サイトを使うと分かりやすい日本語で読めます。
記事を要約すると、「対馬高速フェリー(대마도고속훼리)」が巨済島の長承浦港(チャンスンポコ/장승포항)と日本を結ぶ2つの航路開設を計画中。1つ目の航路は巨済-対馬・比田勝港。2つ目は巨済-対馬・厳原港を経由して壱岐を結ぶ航路。しかし現在残っている問題として、巨済市による長承浦港のCIQ施設への支援と、運航開始間もない時期の赤字補填案を市側が承認するには十分な検討が必要とされていることです。
就航予定のフェリー「ブルー対馬2号(블루쓰시마2호)」はイタリアで建造されたカーフェリーで、総トン数は3,560トン、乗船定員780人。既に改装を終えて、RINA(イタリア船級協会)が発行する船舶証明が交付され、昨年12月15日には日本側当局による運航認可も受けたとしています。釜山港発着の高速船は波高2.5mで運航不可になるのに対して、こちらの中型船は3.5mを越える荒天でも運航可能だとして、安定した旅客輸送をアピールしています。
(ここから管理人の追記)
コメント欄にも書きましたが、釜山港には同トン数のAIS表示による船名”BLUE TSUSHIMA”(IMO:9108245)が長期間接岸しています。
https://www.marinetraffic.com/jp/ais/details/ships/shipid:672169/mmsi:370544000/imo:9108245/vessel:BLUE_TSUSHIMA
新航路開設の背景には、韓国での訪日旅行ブームによって、釜山港から対馬航路を利用する観光客は『2015年48万人、2016年53万人、2017年は70万人に達するなど、毎年増加傾向に主に利用する釜山港はすでに飽和状態に至った。(巨済市議会ギムデボン議員)』として代替航路の役割を期待する向きもあります。航路開設が実現すると、韓国と壱岐を結ぶ初めてのフェリー航路になります。朝鮮半島から対馬、壱岐を経て九州に至るルートは、近代に入って整備された釜山港と下関港、博多港を結ぶルートより古くから利用され、モンゴル高麗軍による元寇、豊臣秀吉の朝鮮出兵、朝鮮通信使の渡海に使われてきました。近世以前の地勢を利用したルートを現在でもたどれるようになるのは意義深いことですね。また就航船はカーフェリーとして活躍した中型船なので、まだ確定情報ではありませんがバイクや自動車も積み込める可能性があります。博多港や唐津港から九州郵船の航路と組み合わせて、壱岐、対馬を縦断して朝鮮半島に渡るツーリングが可能になるかも。期待したいですね。
この記事はいただいたコメント投稿を参考にしました。
rich さん
https://byferryfrom2japan.com/japan-korea/#comment-206904