はにー の「’12~13年末年始・対馬韓国の旅」
PART1 『初日』 … 出港したけど出国じゃない編

さてさて皆様お久しぶりです。はにーでございます。
旅行記書くの、光陽ビーチ以来なんで約2年弱ぶりであります。
この2年間いったい何をしていたかというと………
実はAKB48にど~っぷり、ガチにはまっておりました。

思い返せば約2年半前の夏休み。
北海道旅行の時にレンタカーのBGMが欲しくてフラッと立ち寄った稚内のブックオフ。
当時はまだ、AKBが歌ってる曲なんぞ全く知らず、メンバーの顔も名前も誰一人判らず。
マスコミで取り上げられていた「まえだ」「おおしま」「そうせんきょ」といったキーワード位しか
AKBについて知らなかったんだけど、
CDコーナーに売られていた中古の2ndアルバム『神曲たち』を、
何気なく購入したのが全ての始まりでした。

ところがそれから2年が経った頃には、
AKBの発売した全シングル曲はもちろんのこと、C/W曲(いわゆるB面曲)、アルバム収録曲、
AKB劇場やコンサートでしか歌われない膨大な数の公演曲、
姉妹グループであるSKE/NMBのシングル曲・C/W曲・公演曲、
no3b/ワタロ/ノイエ/フレキス/DiVAといった派生ユニット曲、
あっちゃん/ともちん/まゆゆといったメンバーのソロデビュー曲、を、
MIX(合いの手の掛け声)を併せて400曲くらいは、イントロドン!ができるくらいまで覚えちゃって。
また、さすがにグループの全員、というわけにはいかなかったけれど、
AKBは選抜+正規+研究生メンバー、
SKEは選抜+正規メンバー、NMBは選抜メンバー、の顔と名前は覚えて。
もう立派な『ヲタ』になってしまいました。

そして毎日欠かさずAKB公演のオンデマンドを見て、劇場公演の抽選に応募して。
そしてそしてたまに劇場公演に当ると、
AKB:東京・秋葉原/SKE:名古屋・栄/NMB:大阪・難波の各劇場に出没して。
残念ながら3月のさいたまスーパーアリーナ、8月の東京ドームコンサートには当らなかったけど、
神公演といわれた7月の全国ツアー・チームK・沖縄公演には参戦したし。

そんでもって9月に入るとドームに当らなかったことを神様が憐れんでくれたのか、
確変モードに入って怒涛の当選ラッシュ。
行かなかったけど、AKBチーム4/SKEチームKⅡ/NMBチームM公演の
確実に入れたであろう若い番号でのキャンセル待ち当選が各1回ずつあり、
そしてそして、

16(日)夜全国ツアー・チーム4・金沢公演
       公演後車を飛ばして深夜に帰宅
 ↓
17(月):仕事
18(火)AM:仕事
 ↓
18(火)PM:半休して会社からそのまま新幹線で移動、
      じゃんけん大会 ・東京日本武道館、東京泊
19(水)AM:半休してそのまま出勤
 ↓
19(水)PM:仕事
20(木):仕事(※15:00に翌日の公演の当選メール着信、すぐに半休届提出。)
21(金)AM:仕事
 ↓
21(金)PM:半休して会社からそのまま新幹線で移動
       夜:チームA・6th『目撃者』公演 ・東京秋葉原AKB劇場

と、慌しくもわずか6日の間に3公演に出撃。
持参した4本の各チームカラーのMYサイリウムを振って、絶唱して、コールして、MIXを叫んでました。
この週はマジに公演の合間に仕事をしてる状態。
改めて振り返っても、たまたま仕事の忙しさが底だった時期だったとはいえ、
AKBに参戦するという理由で、よくぞこんなに都合よく半休を3回も取らせてくれたものだなぁ。
話の解る上司に感謝しなきゃ。

さてAKBグループにはAKB48本体の他、
姉妹グループとして国内にSKE:名古屋・栄/NMB:大阪・難波/HKT:福岡・博多があり、
海外にJKT:インドネシア・ジャカルタ/SNH:中国・上海があり、
公式ライバルグループとして乃木坂46があります。
メンバー数は、AKB本体だけで80名超。
AKB+SKE+NMB+HKTで230名超。
JKTとSNHと乃木坂を入れたら、一体何人いるのやら?300名は軽く超えるな。

これら大勢いる中で、大好きなメンバーのことを『推しメン』といいます。
一番大好きなメンバーが『一推し』、順に『二推し』『三推し』。
『一推し』の絶対的最上級が『神推し』。
そして僕の『神推し』は佐藤夏希ちゃん、Nなっち「でした。」
(通常はなっち。ただし元モー娘。の安倍なつみ(なっち)と区別するため、『N』を付ける。)

現在14期生までいるAKBメンバーの中で、
なっちは優子や佐江ちゃん達と同じ2期生の古参メンバー、だったんだけど、
選抜メンバーに選ばれることはほとんどありませんでした。
でも、

・生歌が上手くて、ギターの弾き語りができて、
・AKBがまだ無名だった頃に漫才のM1グランプリに出場したことがある程MCトークが上手で、
・AKB冠番組でない2時間サスペンスドラマの脇役を女優としてそつなくこなし、
・ネイティブと間違えられるくらい韓国語ペラペラで、
・東京の地下鉄路線のラインカラーを即座に答えられるという特技を持ち、
・現役音大生のAKBメン・咲子さんが出したピアノソロCD&DVDのジャケットに
 イラストが採用されるぐらいデザイン感性がピカイチのAKB美術部副部長、

と、
「なっちにできないのは選抜に入ることだけ、なっちにないのは人気だけ。」
と言われたハイスペックなメンバーでした。
究極の器用貧乏とも言われてたけど。

9月のじゃんけん大会には
お腹と背中に『なっち一択』『N推し』と書いたTシャツを作って応援にしに行ったんだけど、
ところがその彼女、残念ながら2012年11月30日をもって
学業専念を理由にひっそりとAKBを卒業・芸能界を引退してしまいました。

「でした。」と過去形で書かなきゃいけないのは、とっても辛いなぁ。
『神推しメン』の卒業は、バーチャルだけど、ファンにとってはリアルな失恋とダメージは全く同じ。
なっちが卒業したその夜は涙酒を呑み、失恋歌を歌い、
それからしばらくの間は僕の涙腺を刺激するドラマや映画ばかり見て、ガチの失恋モード。
悲しい涙が新しい次の涙には、なかなかなりません。

なっちほどの逸材。
女子アナを目指しているとの情報もあり、
大学を卒業して、いずれ何らかのジャンルで復活してくれることを切に願ってはいますが、
二推しだったなっちゃん(平嶋夏海ちゃん)も去年辞めちゃった今、
まさに『夏が行っちゃった』状態。
その他にもあっちゃん、ゆったん、城ちゃん、ミッツもいなくなっちゃったし、
僕のAKBファンとしての時間は、なっちの卒業と共に止まってしまったのでした。

そんな状況からほぼ1ヶ月たった年末年始。
今回の休みはなんと12/27(木)~1/6(日)と入社以来最大の11連休もあって。
でも、今年は失恋の痛手を引きずって引きこもって寝正月にするか、
草津温泉にでも行って失恋の傷を癒そうか(←治せるのか?)、
なんてのも考えたんだけど。
またつい数ヶ月前、死に体の大統領が、
政権末期の恒例行事・反日カードを切って人気回復を図ろうとして、
傍若無人にも竹島に上陸したり、天皇陛下に謝罪要求したりして、日韓関係が最悪の状態に。
僕も暴挙直後はかなり憤激。
でも韓国側としても、日本の反発が予想を遥かに超えるレベルだったことに驚き、
慌てて要求を引っ込めたんで、僕としてはなんとかギリギリセーフ判定に。
ということで休み直前になって、まぁ例年通り韓国へ(大失恋)旅行に出かけよう、ということに決めて。

26日の仕事納めが終わると、ボトルの入っているお店に行ってお酒を呑みながら、
旅のPLANは大切なのよ、と、カウンターでメモに大雑把な旅程を組みはじめて。
出発直前になって組むんで、用意周到なスケジュールで、というわけにはいかないけれど。
そして休み1日目の翌27日は二日酔いで大方終わり、
休み2日目の28日はギリギリまで旅行に持ってく大荷物の準備と
最低限の大掃除(部屋に散らかってた物を押し入れに押し込む)して…

さあ、立ち上がれ!絶望のその谷底から
さあ 歩き出せ! 悲しみと涙の跡から

こうしてやってきました。お馴染み名古屋駅新幹線ホーム。
1年ぶりの韓国旅行、3年連続の韓国での年越しになります。
まずはいつも通り(?)、博多まで500マイルの新幹線移動です。
毎度毎度行き当たりばっ旅なんで、
もちろん年末の新幹線指定席なんて取ってませんし、当然取れません。
そこでホームに到着して、次の次ののぞみの自由席を『フライングゲット』するために、
1本見送ってから1番遠い1号車の列の1番前に並びました。

今回の旅はかさばったけどDVDプレイヤー&AKBのコンサートDVDを持参。
なので駅弁食べながらDVDが見たいなぁ、なんで壁側の席をGETしてAC電源を確保したいなぁ、
という望みを持ってのぞみを待ちます。
そして程なくして狙っていた博多行きのぞみが。『旅立ちのとき』がやってきました。

そんでもって思惑通り壁際の席をGET。できたんだけど、
ところぉがぁ~。
「あちゃー…
足元にお目当てのAC電源がない!という、目も当てられない状況に。
こののぞみ、臨時列車だったんで、望み通りの電源付きN700系でなく、
望んでない電源のない700系での運用。
残念ながら家でDVDプレイヤーのバッテリーに充電してこなかったんで、
DVDを見ること叶わず、感情を吐き出して今すぐ素直になり、大声で叫びたい気分。

「どーも博多に行く時は、望んでない臨時のぞみに臨むことが多いなぁ…なぜか。」
そんなことを考えながら、愛知県民のソウルフード、味噌かつ弁当で腹ごしらえ。

そんなこんなわけで、定刻通り約3時間半後、博多駅に到着。
博多を根拠地にする姉妹グループ・HKTについては、
守備範囲外として劇場公演の応募をしてこなかったので、
なので博多に来るのは約2年前、’11年2月の光陽フェリー旅の帰りのビートル帰国時以来。
ちょうど3月の九州新幹線開業に合わせて新たに建設された
博多駅・新駅舎のオープン直前のことでした。
ということで、前回までは至る所工事中でデコボコしててとっても不便だったけど、
今ではスッキリしててとっても便利。
街路樹とかキレイにライトアップされていて、もの凄く幻想的な感じです。

さて、港行きのバスは、博多口から出て横断歩道を渡った所にある、
博多駅正面のセンタービル前E乗り場から出ます。

今回は乗るバスの時間を調べてから乗るのぞみを決めてきたので、
待ち時間は短からず長からず、まさに絶妙のタイミングでバスがやって来ました。

さすがに港行きのバス。
一般市民の利用客以外の、
多分僕と同じ様に船に乗るんであろう、大きな荷物を持ち込んで乗り込んだ乗客も結構います。
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
ここで『Faint』。
上記バスの写真を見て、地元福岡市民の方なら「あれっ?」って思ったかも。
そして福岡市民・関係者でもないのにこれまでの文章で違和感を覚えた方は、結構な韓国航路通の方。
嘘は書いてないけど、実は本当のことも書いてないんだよね。

ちょっと種明かしすると、博多-釜山航路の選択肢は
JR九州高速船/未来高速(業務提携)のジェットフォイルと、
大亜高速海運の高速船と、ニューかめりあフェリーの3つ。
ジェットフォイルと高速船は全便昼行。
そしてニューかめりあフェリーの方は、
博多:昼出港→釜山:夕入港・夜出港→博多:朝入港・昼出港………のデイリー運航。
なので、この夜更けに港に向かっても、出港する船なんていないはずなんだけど…
じゃあ、このスケジュールって…?

こうしてバスは博多港国際ターミナル…ではなく、博多埠頭第2ターミナルに到着しました。

ここでネタばらし。
今回乗ろうとしている船は直接釜山に行く国際航路ではなく、対馬・厳原行きの国内フェリー。
対馬を経由しての韓国上陸です。
なのでバスの目的地も国際ターミナルでなく、対馬便が発着する対岸の博多埠頭なのでした。

なんでワザワザ対馬に遠回りするのかって?
それは単に僕が「対馬が好きだから」という、ただそれだけの理由からです。
実は対馬経由で韓国に渡るのって、今回を含めて訪韓13回中、2年ぶり3度目。
なのでこのルート、僕にとっては全くお馴染みなのでありまして。

あ、今回の旅のコンセプトはというと、この旅行記書くためのお気に入りの場所巡り。
基本これまで訪れたことがある場所の再訪です。
これまで12回の訪韓旅の、いわばダイジェスト版といってもいいかな。
なので新規な場所にはほとんど行ってません。
ということで今回の旅、とうとうガイドブック持っていかんかったんだよなぁ。


前日二日酔いの中電話予約しておいたフェリー1等のチケットを窓口で無事ゲット。
出港時間は日が変わって0:10発。
そして窓口で乗船開始時間を聞くと、15分前の23:55からとのこと。
実は五島列島行きの別のフェリーが直前の23:30発で、
その船が出港した後に厳原行きフェリーが慌しく接岸するって寸法、らしい。
なので、乗船開始まであと1時間ちょっとあるんだけど、
接岸してるフェリーの写真を撮ることもできないし、しばらくはやることもなし…
なんだけど、これもタイムスケジュールの中にちゃんと組み込まれ。

ターミナルの目の前には博多ポートタワーがあります。
塔の高さ100m、展望台の高さ70m。
営業時間10:00~22:00 入場無料。
もう少し早く来れば、夜景も楽しめたのだけど。


実は第2ターミナルの手前に第1ターミナルがあるんだけど
そのすぐ目の前、タワーの隣に日帰り温泉施設「博多ベイサイド温泉・波葉の湯」があるのです。
第2ターミナルからでもわずか徒歩1分と、チョー便利。
ただし対岸の国際ターミナルから歩いてくるなら、残念ながらちょっと遠い。
国際T⇔博多埠頭を直行するバスもないし。
国際ターミナル周辺にもこんな施設があれば、ビートルに乗る前にひとっ風呂浴びられるのになぁ。

とにもかくにも、対馬行きフェリー内にはお風呂がないので、
乗船開始までの約1時間、ここで身体を洗って小奇麗にして、
しばしまったり温泉に浸かるのが、僕の対馬経由旅の定番、なのでして。
大人の入浴料は、平日700円/土日祝800円 & 入湯税50円。

温泉分析表によると、
泉質は成分総計13.0g/kgのカルシウム・ナトリウム・塩化物泉。
効能としては、体を温める効果が大きく、血液の循環を良くし、筋肉をやわらげます。
また入浴後は保温効果が高く、湯ざめがしにくい特徴があります。
ところで生理食塩水(≒体液/血液)の塩分濃度は0.9%(9.0g/kg)ほど。
なのでこの温泉、成分は生理食塩水よりは若干濃いけど、
お湯に浸かっているとまるで羊水に浸かっているみたく、とっても寛げちゃう。
僕が勝手に生理食塩水の湯と呼ぶ、結構好きなお湯(泉質)の一つなのでして。

国内の温泉についてはネット情報が充実しているので、
その他の館内設備とか興味がある方は各自でぐぐってみて、HPで詳細を調べてください。
温泉分析書も載ってるし。
ちなみに温泉MAPには源泉掛け流しとと書いてありますが、
現在では温泉資源保護の名目で循環になっているようです。残念。

さて、ギリギリまで温泉でマッタリして港に戻ると、フェリーが接岸していました。
これが今回乗る船、フェリーちくし。
2年前の年末も対馬経由で韓国へ。それ以来の乗船です。

ターミナル待合室に戻ると、もう乗船開始してて。
第1ターミナル1Fにコンビニがあるんでいつもならそっちでいろんな物買ってから乗船するんだけど、
今回はコロッと忘れてて、仕方なく第2ターミナル内の売店でビールを購入したら、
市価よりちょっと割高だった。
ううっ、前回どおりコンビニで買って来るんだったなぁ…

買い物している間に乗船客の列も途切れ、最後尾で慌てて乗船。

さて僕の席は1等船室なんだけど、説明上2等船室から紹介します。
これが2等船室の大部屋、雑魚寝。
運賃は対馬・厳原まで3860円。
左側写真が壱岐行き乗客用、右側が対馬行き乗客用。
この船のダイヤは博多0:10発→壱岐2:20経由→対馬4:40着。
出港後しばらくすると消灯になるんだけど、壱岐到着は真夜中。
そこで壱岐行き乗客の下船時に眠っている対馬行き乗客を起こさない配慮のため、
通路を挟んだ2つの2等大部屋を、それぞれ壱岐乗客用/対馬乗客用としています。
利用客数が不均衡なため、壱岐行き船室はガラガラで、対馬行き船室は人口密度が高め。
多客期はあぶれ出されることがあるかも。
毛布を利用してない人も多いんで有料レンタルかな?

これが2等指定席(特2等)。運賃4660円。
雑魚寝ではなくなり、自分の寝転びスペースと毛布が確実に割り振られます。
もちろん対馬乗客用/壱岐乗客用、それぞれの船室があります。
800円分、2等大部屋の雑魚寝よりは落ち着いている感じ。

ということで、一等船室のあるエリアにやって来ました。
こんな感じで通路には個室のドアが整然と並んでいます。


これが今夜の寝床、1等船室。運賃5460円(燃料油価格変動調整金含む)です。
この部屋は4人部屋。このサイズの部屋がいくつかあります。
そしてもう一回り大きい8人位の部屋もあって。
もちろん対馬乗客用と壱岐乗客用の部屋に分かれてます。

話を戻して、僕がなぜ毎回この1等船室に乗るかというと、
運賃が若干高い分あまり乗客がいなので、
4人部屋なのに+1600円でほぼ確実に貸切にできるから、なんです。
ちなみにジェットフォイルだと所要2:15で6460円。

そして部屋に着いて程なく、船員さんが検札に。
チケットを見せると、いつもの問答が。
船員「あのー、明朝の下船はどうされますか?」
僕「7時まででお願いしま~す。」
実は対馬・厳原港には早朝4:40到着、なんだけど、
希望する(全等級の)乗客はなんと朝7:00まで船内休息ができる、というサービスがあるのだ。
運転手の乗客は、港到着時に車を一度上陸させてから、また船に戻ってきて休む、というシステム。
島民達は港に到着するとすぐにそのまま我が家に向かったり、迎えに来てる車に乗ったり。
だけど対馬に縁のない観光客には嬉しいサービスです。
でもこれ九州郵船のHPにも載ってなくて、知る人ぞ知るサービス。
載っていれば早朝4:40到着というダイヤに躊躇する観光客も、
朝7:00まで休めるということで利用する人も増えると思うんだけど。

ただし、4:40に港に到着して乗客を下船させると、タラップは一度上げられ、7:00まで上げられたまま。
つまり選択肢は4:40に下船、または7:00に下船、のどちらか。途中時間の下船は不可。
実は2年前にもこの船に乗りました。
ところが明朝に乗ろうとしていた始発バスの発車時刻が7:10。
そしてそのバスが発車する市街地のバス停は、港から約800mほど離れてて。
つまり7:00まで船内に居て、それからバス停まで大荷物担いでトコトコ歩いて行ったのでは、
残念ながらギリ間に合わない。
ということで、泣く泣く4:40に下船して、港の待合室のベンチでゴロ寝。(暖房入っててよかったー。)
そして2時間ほど仮眠してからバス停に向かった、なんてことも。

ま、ともかく、今回は朝7時まで4人部屋を貸切GET~!

さて甲板に出てみると、ちょうどフェリーが出港したところでした。
岸壁には、僕のすぐ隣に立っていた女性客を見送る人たちが。
やっぱりなんか船旅っていいなぁ。

こうしてフェリーは博多を出港しました。
でも、今回まだ出国じゃないんだよね。
対岸の国際ターミナルの灯りの写真を撮りたかったんだけど、
暗闇の中で海上を走る船上から陸上の小さな光源を写すのは、僕には技術上不可能でした。

ここから、国際航路サイトなのに国内航路のフェリーちくしの設備の紹介を。
甲板上は2等椅子席。
ポカポカ陽気時の昼行便ならともかく、乗客多数で2等大部屋をあぶり出されなければ、
厳冬の夜行便で甲板上の椅子席を使う人はまずいないと思われ。
ただし船内は禁煙。
この付近にしか灰皿はないようなので、スモーカーとおぼしき利用者が若干名。

さて対馬といえば、日本列島・九州と朝鮮半島を隔てる対馬海峡の真ん中に位置する島。
そして島の周りには対馬海流(暖流)が流れる、有数の漁場。
なので対馬には磯釣りポイントが無数にあるといってよく、釣り目当ての乗客も大勢乗船します。
ということで、甲板の一角には乗客が持ち込む釣竿の置き場が設置されています。

甲板の一角にはゲームコーナーがあります。
眠れない(らない)乗客の暇つぶしにはいいかも。

船内に戻って。
これがインフォメーション。
後述の対馬の観光MAPがもらえます。

船内の自販機。
カップ麺や菓子パン、スナック菓子などが売られています。
ドリンクの方はお茶、ジュース、コーヒーなど。
どうもアルコール類の販売はないみたい。
返す返す第1ターミナルのコンビニに行くのを忘れたのが、痛いな~。

インフォメーションの前、階段下のスペースは壱岐、対馬観光・海事コーナー。

まずは壱岐・対馬観光(古代邪馬台国への道)案内、という立派なパネル。
邪馬台国とは魏志倭人伝に書かれている古代日本にあったとされる女王卑弥呼の治める国。
邪馬台国がどこにあったかは、九州説、畿内説、その他諸説数々あれど、
エジプト説のようなトンデモ説を除けば、
邪馬台国の朝貢の使者が魏の東夷地域の拠点・帯方郡へ行くために、
一支国(壱岐)と対馬国とを通ったことは確実。
こんな感じで、PART2で詳しく書くけど、対馬は歴史・文化の通り道なんだよなぁ。
だからとっても興味深いんだけど。

ちなみにこのパネルの左に貼ってある対馬の観光マップ、インフォメーションでもらえます。
翌朝対馬をレンタカーで走り回ったんだけど、大変重宝しました。


そして海事コーナー。
深夜なんですぐ寝ちゃったけど、
昼行便なら充分時間つぶしができそうな興味深いパネルなどが多数展示。
この結び目のやつなんか、じっくり見てみたかったなぁ。
インテリアとしても面白い。


そして国際信号旗の一覧も。当たり前だけどZ旗も載ってる。
船で信号旗の説明というは別に変でもなんでもないけど、
対馬航路で『Z旗』というのは、なんだか不思議な因縁があるなぁ、なんて、考えすぎか…

というのも、またまた話が外れるんだけど。
『Z旗』は本来「タグボート(曳き船)が欲しい」、という意味で掲げるんだけど、
アルファベット最後の文字『Z』を使っているので、海戦時には
「この一戦に敗れればもう我々には後がない。」
という意味で掲げられます。

大日本帝國海軍の場合、日露戦争での露西亜(ロシア)・バルチック艦隊との決戦において
「皇國の興廃此の一戦に在り、各員一層奮励努力せよ」
という意味を込め、士気の高陽を図るために使用されたことで有名です。
『坂の上の雲』のクライマックスだね。
関係ないけど、ちょうどチーム4金沢公演のついでに、
日本元気村にあった旗艦『三笠』のロケセットにも行ってきてたのでして。
(多シュミで硬軟入り混じってます。)

で、バルチック艦隊を壊滅させ、我が聯合艦隊の被害はほぼゼロというパーフェクトゲームだった
この海戦のことを、日本国内では『日本海海戦』と呼びます。
これは主海戦場だけでなく、付随したいくつもの海戦が日本海全域で行われたからなんだけど、
海外においては主海戦場だった海域名から『対馬沖海戦』と呼びます。
そうなんです。日本海海戦は対馬沖で行われたんです。

対馬って国境の島であり、国防の最前線で、攻められたり、守ったり、また逆侵攻の拠点だったり。
だからとっても興味深いんだけど、これについてもPART2で。


インフォメーション前には階段があり、階上は一等船室客のみ利用できるスカイラウンジがあります。


スカイラウンジはこんな感じ。
こぎれいな船室に柔らかくて座り心地の良さそうなソファーが置かれています。
屋外には専用のバルコニーもあって。
一等船室客があまり多くないということは、このラウンジもほぼ貸切状態。
この大きなソファーなら柔らかくて船室の固い床よりは寝心地いいかなぁ、とも思うんだけど
公室だから個室のように消灯できないし。
また、博多出港0:10→厳原入港4:40、船内休憩も7:00まで、なんで、
乗船後にこのラウンジで寛いでたら、睡眠時間がその分削られちゃうし。
ということで、この航路には何回か乗ってるのに、
未だにこのスカイラウンジで長時間寛いだことないんだよなぁ。
上りの対馬→壱岐→博多の昼行便なら、いい感じで過ごせるんだろうけど。

こんな感じでフェリーちくしの設備をひととおり。
この後自分の船室に戻り、ターミナル売店で買ったビール片手に、
インフォメーションでもらった対馬観光MAPを床に広げて、
明朝の観光地巡りのルートをシミュレーション。
そしてなるべく睡眠時間を確保するため、早々に就寝しました。

こうして、PART1『初日』…出港したけど出国じゃない編、は終わり。
PART2へ、To be continued…

P.S.
今回の旅行記のPARTタイトルは、
AKBの楽曲名をそのままもらったり、ちょっと文字ってみたりしてます。
で、PART1のタイトルはズバリ『初日』。
『初日』といえばチームB・3rd『パジャマドライブ』公演の第1曲目。
リクエストアワード2009において、公演曲ながら並み居るシングル曲達を抑え、
ファン投票で堂々1位となった名曲です。
実は稚内で買った2ndアルバム『神曲たち』の収録曲。
僕はまさにこの『初日』を聴いてAKBにドはまりしたという、
とても思い入れのある曲なのでした。

チームB・3rd#1・『初日』
https://www.youtube.com/watch?v=6JAKPNZWp0g